ニュース要約

実質賃金8カ月連続マイナス

mesigaumai

ニュース要約記事になります。今回のお題は「日本の実質賃金」についてです。物価高の影響がじわじわと家計を襲ってきていますので、、この話題を取り上げたいと思います。

■ 今回の要約記事

記事タイトル:実質賃金は8カ月連続マイナス、ボーナス効果剥落で名目の伸び鈍化
※出典:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-10-07/T3JOWIGOT0JN00?srnd=cojp-v2-domestic

① ニュースの要点

8月の実質賃金は前年同月比で1.4%減となり、8カ月連続のマイナス。名目の現金給与総額は+1.5%とプラスだが、ボーナス(特別給与)の減少(−10.5%)で伸びが鈍化。物価上昇に賃金が追いつかず、家計の実質負担が重くなっている。

② 市場の反応と背景

この統計発表後、為替市場では円安が進行し、対ドルで一時152円45銭と約8カ月ぶりの円安水準を更新しました。
背景には、国内の賃金伸び悩みへの懸念と、今後の金融政策方向性への思惑が絡んでいます。特に、名目賃金の伸びが物価上昇に追いつかないという実需の弱さは、日銀の利上げ余地を縮める可能性があり、円売り圧力を強める材料と見られています。

③ 出来事の深掘りと過去の類似事例の考察

今回何が起きたのか?

 実質賃金が8カ月連続で減少している点は、物価上昇を賃金が下回る構図が続いていることを示します。名目賃金のプラス成長にもかかわらず、特別給与(ボーナス)のマイナス転化が全体の伸びを抑えた点が特徴的です。
 また、消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除くCPI)は前年同月比で3.1%上昇し、名目賃金の伸びを大きく上回っています。

過去にも似たようなことはあったか?

 日本では、かつて「デフレ→物価上昇→賃金追随できず実質所得低迷」といったサイクルが何度か観察されてきました。例えば1990年代後半以降の停滞期や、2000年代以降の緩やかなインフレ時期に、実質所得は伸び悩みながら賃金・物価の綱引きが続いた時期がありました。
 過去には、物価上昇先行、賃金の上昇が後追い、という流れがしばしば起きており、賃金の上昇が持続的でないと、家計実感が伴わず消費も抑えられるという構図が繰り返されてきました。

そのとき市場や経済はどうなったか?

 実質所得が伸び悩む局面では、消費マインドが冷え込み、内需が弱まるリスクがあります。企業は価格転嫁やコスト吸収余力に頼ることが多く、利益余力の低下が懸念されることもあります。こうした局面では、金融政策として緩やかな金利引き下げや金融緩和バイアスが支持されやすく、株式などリスク資産の下支え材料となることもあります。ただし、世界景気の足元悪化や海外リスクが重なると、株式市場の重荷になるケースもあります。

今回の出来事から何を学べるか?

  • ・賃金・物価のミスマッチは、企業の収益性や設備投資意欲に影響を与えうる。結果として株式市場全体に波及リスクがある。
  • ・マクロ統計の「見かけ上のプラス(名目成長)」があっても、実質でプラスが出ていない、すなわち成長感が乏しい構図もあるということを常に念頭に置く。
  • ・こうした景気の足取りの鈍さは、逆に債券市場や金利動向に敏感に反映される可能性があるため、資産配分の見直し余地を探る材料となる。

④ 補足情報・次に備える視点

  • 賃金構成の見方
     今回、所定内給与(いわゆる基本給等)は前年比+2.1%増と堅調な伸びを保っており、残業代などの所定外給与、そして特別給与が足を引っ張る形になっています。
     つまり「働き方や時間の変化」「賞与支給率の抑制」が、実質の可処分所得を押し下げている構造的な側面が見て取れます。
  • 金融政策との関係
     日銀の政策スタンスは引き続き注目点です。賃金・物価双方の持続性を確認しながら、利上げ余地や緩和維持の選択肢が検討されるでしょう。今回のデータは、強引な利上げには慎重さを促す材料になり得ます。
     また、為替の動き(円安進行)を通じて輸入物価への影響も今後出てくる可能性がありますから、インフレ・デフレの振動リスクには注意しておきたいところです。
  • 資産運用視点での備え
     こうした実質所得の負荷感は、今後の消費抑制リスク、企業業績の足踏みリスクを孕んでいます。リスク資産中心の投資比率であっても、守りを効かせる手段(例:債券、現金のバッファ、ディフェンシブ資産など)を適宜検討しておくと安心です。
     また、インフレ対応力(インフレ連動債や配当成長株式といった資産)をポートフォリオの視点で見直す機会とするのも一案でしょう。

⑤ 筆者のひと言感想

名目での賃金上昇があっても、物価上昇に追いつかなければ実質での実感は薄くなるという、教科書的な構図が改めて姿を現したように思います。FIREを目指して長期投資を続ける立場としては、インフレに強い資産を買い続けて備える必要があるなぁと思う今日この頃です。

⑥ 今日の投資の格言

「投資で成功するために必要なのはIQではなく性格だ。」
―― ウォーレン・バフェット
意味:知識や分析力も大切ですが、最終的には感情をコントロールし、規律を守る性格が長期投資を成功に導く。

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お金持ちの無職になりたい夫婦
お金持ちの無職になりたい夫婦
アラフォー共働き夫婦とネコ2匹で暮らしています。FIRE目指して2023年から本格的に資産運用を始めました。まだまだ道は遠いけど、資産が増えると嬉しいなぁ。
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