プラチナNISA検討に思うこと

アメリカ発の関税バトルは少し落ち着きを見せており、相場の乱高下は一旦収まったように思います。今後もトランプ大統領の一挙手一投足で相場は動いてしまうと考えられますので、しばらくは不安定な相場が続くことを覚悟しなければなりません。
そんな中、我らが日本で「プラチナNISA」なるものが検討されているとのニュースを目にしました。プラチナNISAとはなんぞや?と気になったので、今回はプラチナNISAについて調べてみました。調べてみるとなかなかにきな臭いものだなぁと思いましたので、その中身についてお話していきたいと思います。
プラチナNISAとは?
まずはプラチナNISAについてですが、数日前に発表されたニュース記事から引用したいと思います。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/7fc91a855994f20dfc678a933ae1f37552d1a40c
プラチナNISAをざっくり説明すると、金融庁が高齢者向けにNISA新設を検討しており、その名称を「プラチナNISA」としているようです。このプラチナNISAですが、ニュース記事を読んで真っ先に違和感を覚えた文言がありました。
毎月分配型投信を解禁!?
何故に毎月分配型投信を解禁するのか意味がわかりません。そもそも新NISAでは毎月分配型投信を除外していたのに、なんで解禁する必要があるのか本当に理解ができません。
毎月分配型投資信託について
ニュース記事では長期的な資産形成を促す観点から除外と書かれていますが、そもそも毎月分配型投信は長期だろうと短期だろうと資産形成には向きません。毎月分配型にはデメリットがめちゃくちゃあるので、AIに聞いてみたものを以下にまとめます。

検索ワードは「毎月分配型投資信託のデメリットを教えて」で検索してみましたが、AIは本当に優秀ですよね。言いたいことを一発で答えてくれるので、本当にありがたい存在だと思います。デメリットはいくつか挙がりましたがこの中で特に問題となるのが、①元本の取り崩しリスク、②運用コストが高い、③分配金水準が成績を反映しない、この3つだと考えています。
①と③ついてですが、毎月分配型投資信託は運用成績が悪かった場合でも元本を切り崩すことで高配当を維持、すなわちタコ足配当によって分配金が支払われているものが多く、資産形成とは程遠いものとなります。単に元本を切り崩しているだけなら預貯金を切り崩しているのと変わらないのでまだ救いがありますが、②の運用コストが高いことが大きな問題となってきます。
運用コストの高さについてですが、インデックス投資でよく聞くオルカンと楽天証券の毎月分配型投信のランキング1位の「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」でこの記事投稿時点の信託報酬で比較してみたいと思います。
・オルカン:0.05775%
・ランキング1位(インベスコ):1.903%
なんと約33倍も手数料が違います。資産形成で重要なことは、「長期・分散・低コスト」の三拍子だと考えていますが、毎月分配型のランキング1位でさえオルカンと比べるとコスト面では雲泥の差があります。毎月分配型投資信託は、タコ足配当で元本が削られる+信託報酬で証券会社に高いコストを支払うというWパンチを喰らっている状態となっています。それならば優良なインデックスファンド(例としてオルカンやS&P500)を購入して、定額自動売却や定率自動売却を設定した方がマシだと思います。
おわりに
今回はプラチナNISAなるものを調べてお話してみました。調べてみる程なんのための制度なのか頭をかしげてしまうものでしたが、政府が何故このタイミングでこの議論を発表してメディアに取り上げさせたのかを、私の妄想マシマシで述べてみたいと思います。
一番の目的はやはり夏の参院選を見据えてだと思います。自民党の票田は高齢者の方が多いと思いますので、高齢者の方に受けがいい制度を発表することで票の獲得を考えているものだと推測できます。このニュースを調べていると各TVメディアで一斉に報道しているようですので、政府はこの議論を認知してもらいたいのだと思います。少数与党となり物価高対策もまともに成果が上がっておらず支持率は低迷、せめて票田だけは失うまいと必死になっているのではないのかなぁと思っています。
プラチナNISAについて調べてみて、新たな枠を新設するのではなく現状のNISA枠を拡充したほうがいいんじゃないのかなと思いました。新NISAは本当にいい制度なので、わざわざ別枠を設けるよりも現行制度を拡充したほうが万人に喜ばれると思います。政府のお偉いさんには目先のことばかりを考えるのではなく、日本が少しでも良くなるようにしてもらいたいと思う今日この頃です。