証券会社不正アクセス・取引問題、ネット証券3社が補償内容発表

今年の春頃から続いている「証券会社不正アクセス・取引問題」ですが、昨日の夜にネット証券3社から補償についてのアナウンスが発表されました。今回はこの3社の補償内容について、私の所感も踏まえてお話したいと思います。
ネット証券3社の補償内容の概要
SBI証券と楽天証券は、2025年7月25日に、不正アクセスにより証券口座が乗っ取られ、顧客の株式が無断で売買された被害に対し、被害額の原則50%を金銭補償する方針を発表しました。同時に、一律で1万円の見舞金も支払う予定です 。松井証券も同様に50%の補償方針を示しており、3社は共通の対応姿勢を見せています。
各証券会社の公式声明は以下のリンク先となります。
SBI証券:https://www.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_home&cat1=home&cat2=none&dir=info&file=home_info250502_compensation.html
楽天証券:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/info/info20250725-04.html
松井証券:https://www.matsui.co.jp/news/2025/detail_0725_01.html
対面大手証券会社の補償内容について
一方、野村証券や大和証券をはじめとする対面大手証券会社は、被害額を金銭で補償するのではなく、勝手に売られた株式を「原状回復」する対応を選択しており、方針に明確な差がでています。巷では「全額補償」と言われていますが、顧客全員に一律全額補償と謳っている公式ソースはなく、あくまで個別ケースとなっているようです。そのため、本当に全額補償になるのかどうかは、今後の動向を確認する必要があります。
ネット証券3社の対応についての私の所感
今回のネット証券3社の補償内容の発表についてですが、「フィッシング詐欺」単体で見るなら頑張っているほうかなと思いますが、SBI証券と楽天証券では別途ツールやアプリ側の不具合によって二段階認証が機能していなかった事実がありますので、この点についても補償の勘定に入れた方がいいのではと思いました。
今回のアナウンスはおそらく社内調査の結果から証券会社側に問題ないとの判断をしていそうなので、外部機関の調査結果から方針を公表しないとユーザーとしては納得できないのではないのでしょうか。また、社内調査で問題がないと言い切るのならば、証券会社側は調査結果をしっかりと開示するべきだと私は思います。
おわりに
今回はネット証券3社の補償方針について、私の所感を踏まえてお話してみました。幸いなことに我が家は不正取引の被害を受けていなかったのでよかったのですが、もし被害に遭っていたらこの補償内容では納得できないと思います。証券会社側に絶対に非がないと言うのならまだしも、今回の場合は証券会社のシステム側でも抜け道がありましたので、最低でもこの点は勘定に入れて補償の話を進めるべきだと思います。
今回の件を踏まえて、証券会社側でもシステム面からセキュリティを万全にしていってほしいなぁと思う今日この頃です。