日経平均急落
ここ最近の上昇相場が一転、米テック株の下落に引っ張られて日経平均が大きく下げました。今回は本日の日経平均の下げについて要約していきます。
今回の要約記事
記事タイトル:【日本市況】日経平均急落、テック下げ一時5万円割れ-債券上げ縮小
※出典: https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-11-05/T58CUWGOT0JK00?srnd=cojp-v2-markets Bloomberg.com+1
① ニュースの要点
11/5、日経平均株価は一時5万円を割り込む下落となり、下げ幅は一時2,400円超となりました。米テック株の軟調が国内にも波及し、ハイテク関連株を中心に売りが広がりました。債券市場では、リスク回避から買い先行だったものの、政府10 年債入札の結果が弱く、利回り低下が一服しました。
② 市場の反応と背景
・株式市場:日経平均の終値は前日比2.5%安の50,212円27銭となりました。また、東証株価指数(TOPIX)は3,268.29と1.3%安。
ハイテク株などが特に売られ、国内外で “割高感” が意識されたことが背景にあります。
・為替:ドル/円は一時152円96銭まで円高が進行しましたが、終値は153円64銭付近。リスク回避で円買いが先行したものの、根強い円安観測も残っています。
・債券:10年国債利回りは前日比‐0.5ベーシスポイントで1.665%となりました。ただし、入札の応札倍率低下などから上げ幅は縮小しました。応札倍率は2.97倍(前回3.34倍)という結果。
このように「株下落→リスクオフ→債券買い/円買い」が一瞬出たものの、債券の買いが持続しなかったという流れが、今回の市場の特徴です。
③ 出来事の深掘りと過去の類似事例の考察
・今回何が起きたのか?
米国のテック株(特に半導体など)で軟調な値動きが出ており、たとえば SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)が前日4%下落という報道がありました。それが日本株にも波及し、高値を付けていた日本株市場では利益確定の動きが加速。加えて、10月以降日本株が約15%上昇していたことも過熱感を強めていたようです。
さらに、10年国債の入札結果が「弱い」とされ、債券市場の買いも一時的だったことで、安心を求める資金の流れもやや鈍りました。
・過去にも似たようなことはあったか?
過去にも、米国テック銘柄が調整局面に入ると、日本のハイテク株や輸出関連株が巻き込まれ、日経平均が大きく下押すという場面がありました。例えば、2020年〜2022年にかけてのコロナ禍・景気後退懸念の波などが思い起こされます。
また、国債入札の需要低下が債券利回りの変動を通じて金融市場全体の不安材料となった場面も過去にあります。
・そのとき市場や経済はどうなったか?
調整初期段階では、株式の下落、債券買い・円買い(いわゆる「質への逃避」)が起きることが多く、実際にその後数日~数週間、株価は底を探る展開になったケースがあります。長期的には、そのような調整を経て景気・企業収益の基盤が確認されると反発局面になることが多いです。
・今回の出来事から何を学べるか?
- 過熱局面からの調整は必ず起こり得るという認識を持ち、市場が「順調すぎる」と感じるときこそ、調整に備える心構えが必要です。
- 株価が大きく下げても、短期の振れに過剰反応せず、長期の積立・分散という戦略を継続することが、結果的に成果を左右します。
- 急落を「危機」と捉えるのではなく、「市場が調整している」と冷静に捉えることが重要です。
④ 補足情報・次に備える視点
- 今後注目すべき指標として、国内外の決算発表・米国利下げ観測・日銀(日本銀行)の金融政策議論などがあります。これらが市場心理に影響を与えやすく、次の動きのヒントとなります。
- 為替では、ドル/円が再び155円トライという見方も出ています。今回、円買いが先行したものの長続きしなかったため、円キャリートレード(低金利通貨を借りて高金利通貨を買う取引)の復活の可能性も視野に入れたいです。
- 債券市場では、利回り水準の確認が重要です。今回10年債利回りが1.665%という水準で、変調を示しました。国債入札の応札倍率も下落しており、需給のひずみが生じている可能性があります。
- 長期積立投資をしている方は、「下げ=買い増しのチャンス」と捉えられるよう、メンタル面・資金配分の余力を今のうちに確認しておくと安心です。
⑤ 筆者のひと言感想
今回の下落は、長期積立・インデックス投資を継続している身としては、慌てず淡々と積み上げを続け、むしろこういう時こそ「買い増しを検討できる余裕」があるかどうかを確認する機会だと思います。市場の波に翻弄されず、時間を味方にできる投資姿勢を改めて大切にしたいと思う今日この頃です。
⑥ 今日の投資の格言
「分散投資は投資の唯一の無料ランチである。」 ―― ハリー・マーコウィッツ
意味:異なる資産に分散すれば、リスクを抑えながら安定したリターンを得られる。

